メインプログラム

Date

10月27日

Time

13:00〜15:00

会場:綿業会館 本館7階大会場 詳細: 登壇者 山形政昭

Prologue 1

「船場」に生きる近代建築
山形政昭氏のお話しと綿業会館見学会

一般参加可能

大阪には近代の名建築が数多くあります。そしてそれらがあることで幾重にも歴史が重なりあった町のおもしろみを感じることができます。ここでは建築史家の山形政昭氏をお迎えし国の重要文化財に指定されている綿業会館をはじめとする船場に生きる近代建築のお話しをお聞きいたします。その後「船場」の代表的近代建築である綿業会館の建物内を見学していただきます。
これまで繋いできた大阪の近代建築遺産。これらを将来へいかに繋ぎ、活かしていくのか。これらのテーマはこの後つづく大会のシンポジウムにも引き継がれていきます。

登壇者
山形政昭

大阪芸術大学建築学科・大学院芸術文化研究科教授

山形政昭

大阪芸術大学建築学科・大学院芸術文化研究科教授

1949年大阪生まれ。京都工芸繊維大学建築学科卒業、同大学院修士課程修了、工学博士。大阪芸術大学建築学科・大学院芸術文化研究科教授。関西学院総合政策学科非常勤講師。専門分野は建築歴史、建築計画。とりわけウィリアム・メレル・ヴォーリズの建築と、関西の建築家 、近代建築に関心があり調査研究を行う。

Date

10月27日

Time

13:30〜15:30

会場:綿業会館 新館2階会議室 詳細: 登壇者 井上章一

Prologue 2

JIA市民大学講座2016 まちづくりセミナー
笑われる街が生まれるまで

一般参加可能

大阪の街の生い立ちは、歴史上商都としての賑わいを現代に継承し、人間味あふれる生活感と商売の活力が都市の原動力となって、街の発展と文化都市としての熟成が今日の大阪に繋がりました。そこには「笑い」の文化があり、冗談と現実は表裏一体のおもろいやりとりで人と人が繋がりました。そんな大阪の生い立ちをかえりみた上で、街の社会資産(近代化資産)の活用方法でさらに生きいきしていく文化都市、大阪のしゃれの文化と本気の文化を語っていただきます。

登壇者
井上章一

国際日本文化研究センター教授

井上章一

国際日本文化研究センター教授

1955年、京都生まれ。京都大学工学部建築学科卒、同大学院修士課程終了。京都大学人文科学研究所助手ののち現在、国際日本文化研究センター教授。専門の建築史・意匠論のほか、日本文化について、あるいは美人論、関西文化論などひろい分野にわたる発言で知られる。著書に『霊柩車の誕生』(朝日文庫)、『つくられた桂離宮神話』(講談社学術文庫)、『美人論』(朝日文庫)、『南蛮幻想』(文藝春秋)、『人形の誘惑』(三省堂)、『関西人の正体』(小学館文庫)、『阪神タイガースの正体』(筑摩文庫)、『日本に古代はあったのか』(角川選書)、『伊勢神宮』(講談社学術文庫)、『現代の建築家』(ADAエディタ ートーキョー)など多数。

Date

10月27日

Time

16:00〜18:00

会場:綿業会館 本館7階大会場 詳細: 登壇者 木津川計 香山壽夫 倉方俊輔

Symposium 1

シンポジウム1 文化都市の復権
大阪から全国へ

一般参加可能

人間に格があるように都市にも格が備わっています。それを都市格と捉えるのなら、人格者が目指されるように高い都市格もまた追求さるべき目標です。かつての大阪は日本全国の物流が集中する経済・商業の中心地・天下の台所として繁栄し、様々な文化・芸能の蓄積、水の都と称される都市景観がありました。しかしながら近年は企業本社の流出など都市力の低下とともに、悪いイメージの大阪が自虐的に広まり大阪の都市格の低下は否めません。
このシンポジウムにおいてはまず、木津川計氏に「都市格」の定義付け、大阪における文化、都市イメージの問題点を提起をしていただきます。続いて香山壽夫氏に歴史・文化とどう向き合いどうつくってきたかということを建築の御実作を中心にご紹介していただきます。最後に建築史家である倉方俊輔氏にファシリテーターをつとめていただき、文化的視点から、有形・無形の歴史にどう向き合うべきなのかということを考えて行きます。これまで受け継いできた文化・芸能・建築を活かす文化都市づくりによる大阪の都市格の復活。地方都市の代表格として大阪が元気になり全国への情報発信が可能となる都市の在り方、建築家の役割についての活発な討論を行っていただきます。

登壇者
木津川計

上方芸能評論家

木津川計

上方芸能評論家

1935年生まれ。大阪市立大学文学部卒業。1968年に自ら創刊し、編集長を務めた雑誌『上方芸能』は、この5月、200号を機に終刊。1985年-06年 立命館大学教授、他に和歌山大学客員教授、民放連盟賞中央審査委員長、文化庁芸術祭賞選考委員、芸術選奨文部科学大臣賞選考委員会主査ほかを歴任。【おもな著書】『人間と文化』『〈趣味〉の社会学』『含羞都市へ』『生活文化の視座』『上方の笑い』『上方芸能と文化』『人生としての川柳』『朗読・語り文化の地平』『ことばの身づくろい』他多数。【受賞】京都市芸術功労賞、京都新聞文化賞、第46回菊池寛賞、全国日本学士会アカデミア賞などを受賞。

香山壽夫

建築家 東大名誉教授

香山壽夫

建築家 東大名誉教授

1937年 東京都生まれ。1960年 東京大学建築学科卒、1965年 ペンシルヴェニア大学美術学部大学院終了(M.Arch)、工学博士(東京大学)。1973年 香山アトリエ(現香山壽夫建築研究所)設立、1982年ペンシルヴェニア大学客員教授、1986年-97年東京大学教授など。以降多数の大学教授を歴任。主な作品に「さいたま芸術劇場」、「聖学院大学礼拝堂・講堂」、「東京大学安田講堂改修」、「京都会館再整備 ロームシアター京都」などがある。【受賞】日本芸術院賞(2006年聖学院大学礼拝堂・講堂) 日本建築学会賞(1996年彩の国さいたま芸術劇場) 村野藤吾建築賞(1995年彩の国さいたま芸術劇場)

倉方俊輔

大阪市立大学大学院工学研究科准教授

倉方俊輔

大阪市立大学大学院工学研究科准教授

1971年、東京都生まれ。1999年、早稲田大学大学院博士課程満期退学、博士(工学)。2011年より大阪市立大学大学院工学研究科准教授。【共著】『吉祥寺ハモニカ横丁のつくり方』『これからの建築士』、『生きた建築 大阪』『大阪建築 みる・あるく・かたる』。【著書】『ドコノモン』『吉阪隆正とル・コルビュジエ』。【監修・解説書】『伊東忠太建築資料集』 などがある。

Time

15:30〜18:00

会場:大阪市中央公会堂 大集会室 詳細: 登壇者 吉村洋文 伊東豊雄 工藤和美 竹原義二 兼松佳宏 川口加奈 河内崇典

Symposium 2

シンポジウム2 社会の改革
ソーシャルイノベーターとしての建築家

一般参加可能

近年、政治や経済など東京への一極集中が進み、大阪を含めた地方都市が衰退の一途をたどっているとも言われています。他にも、地震や台風といった自然災害から身を守るための防災、限りある地球資源を維持していくための環境、人口減少による少子化や高齢化、歴史文化の喪失など、日本が抱える多くの課題を目の前に、我々建築家はどのような役割を果たすことができているのでしょうか。
そんな暗くなりがちな未来のイメージではなく「ほしい未来は、つくろう」と明るい未来にフォーカスし、自らの力で築いていこうという動きが始まっています。それが「ソーシャルデザイン」という考え方であり、その担い手がソーシャルイノベーターです。
今回は2011年に『ソーシャルデザイン』という本を出版し、社会的な課題の解決と同時に、新たな価値を創出する事例を紹介しているウェブマガジン「greenz.jp」の元編集長、兼松佳宏氏を招き、「ソーシャルデザインとは何か」、「ソーシャルイノベーターとして建築家」といったテーマでお話しいただきます。
経済的豊かさを手に入れた我々日本人ですが、いまひとつ幸福感を感じることができないという声もたくさんあります。どうすれば人々が笑顔を取り戻し、明るい社会に向かうことができるのか。どうすれば笑都物語として人々を元気にする社会を、地方である大阪から発信できるのか。
吉村洋文大阪市長、建築家の伊東豊雄氏、工藤和美氏、竹原義二氏、そして関西で活躍するソーシャルイノベーターにも登壇いただき、社会の変革と建築家の職能について踏み込んだ議論をしていく予定です。

登壇者
吉村洋文

大阪市長

吉村洋文

大阪市長

伊東豊雄

伊東豊雄

1941年生まれ。1965年 東京大学工学部建築学科卒業。1969年 URBOT設立。1971年 伊東豊雄建築設計事務所に改称。日本建築学会賞、ヴェネチアビエンナーレ金獅子賞、プリツカー建築賞など受賞

工藤和美

東洋大学建築学科教授

工藤和美

東洋大学建築学科教授

1960年生まれ。1986年シーラカンスを共同設立。1991年 東京大学大学院博士課程修了現在、シーラカンスK&H代表 東洋大学建築学科教授。日本建築学会賞、JIA日本建築大賞など受賞

竹原義二

摂南大学理工学部建築学科教授

竹原義二

摂南大学理工学部建築学科教授

1948年生まれ。1978年 無有建築工房設立。2000年~2013年 大阪市立大学教授。2015年~ 摂南大学理工学部建築学科教授。渡辺節賞、村野藤吾賞、他多数

兼松佳宏

京都精華大学教員

兼松佳宏

京都精華大学教員

1979年生まれ。ソーシャルデザインのためのヒントを発信するWebマガジン「greenz.jp」元編集長。16年、フリーランスの勉強家として独立し、教育分野を中心に活動中。京都精華大学教員

Date

10月29日

Time

10:00〜12:15

会場:大阪美術倶楽部 詳細: 登壇者 桂歌之助 青木豊彦 倉田哲郎 関純子 古谷誠章

Symposium 3

シンポジウム3 生きる街
市民が担うまちづくり

一般参加可能

古典落語の演目には、「暮らし」と「文化」と「街」との結びつきを感じさせるものも多く、そうした土壌に根ざした笑いや人情の機微からは日常の活き活きとした暮らしの豊かさが伝わってきます。物質重視から心の時代へと移行しつつある中、こうした落語には改めて豊かさに対する価値観やこれからのまちづくりに対しても、古くて新しい貴重な示唆が潜んでいるのではないでしょうか。
シンポジウム3は、落語演目にも度々登場し、上方文化とも由縁深い豪商・鴻池家本宅跡地を舞台とします。
第一部:パネルディスカッションでは、噺家が誘う落語の世界観を手掛かりに、多彩なパネリスト方にご自身のキャリアとともに一市民としての立場も踏まえた多様な視点から、市民が担う街づくりについてお考えを語っていただきます。
第二部:落語会では、かつては建築学生でもあった落語家・桂歌之助氏が「三題噺(即興落語)」に挑戦します。パネルディスカッションで唱えられた各キーワードを繋げて、一つのショート(笑都)・ストーリー(物語)に見事仕立て上げることはできるのか⁉︎ これは当日のお楽しみです。
多くの皆様にご参加いただき、これからの「生きる街」について、共に考え、新たな視座を発掘し、共有し合える有意義な機会となれば幸いです。

登壇者
桂歌之助

落語家

桂歌之助

落語家

1971年、大阪府高槻市生まれ。1996年、千葉大学工学部建築学科卒業後、二代目桂歌之助に入門し、歌々志(かかし)を名乗る。2007年、三代目桂歌之助を襲名。なにわ芸術祭新人賞(2006年)。繁昌亭大賞輝き賞。咲くやこの花賞大衆芸能部門。文化庁芸術祭新人賞(2007年)など多数受賞。

青木豊彦

東大阪モノづくり親善大使

青木豊彦

東大阪モノづくり親善大使

1945年生まれ。モノづくりの町、東大阪で「メイド・イン・東大阪」の人工衛星(まいど一号)の打ち上げ計画をスタートさせた中心者。「モノづくりにはプライドを持たなければならない」との思いは、同社を世界的航空機メーカー・ボーイング社の認定工場に押し上げた。大阪市立大学や和歌山大学では客員教授も勤め、多方面に精力的に活躍中。

倉田哲郎

大阪府箕面市長

倉田哲郎

大阪府箕面市長

1974年、静岡県清水市(現・静岡市)生まれ。1997年、東京大学法学部卒業後、郵政省(現・総務省)入省。2003年に総務省から箕面市に出向。08年に総務省を退職し、当時全国最年少市長として箕面市長(34歳)に当選。現在は3期目を勤める。斬新な施策を次々と打ち出し、箕面のまちの「元気づくり」「魅力アップ」に取り組んでおり、その手腕は多方面からも注目されている。

関純子

関西テレビ アナウンサー

関純子

関西テレビ アナウンサー

大阪府豊中市出身。1988年、大阪大学人間科学部卒業後、関西テレビ放送入社。生活情報番組「痛快!エブリデイ」の司会を落語家桂南光氏と約15年担当。現在「みんなのニュース ワンダー」「カンテレ通信」、フジテレビ「みんなのニュース〈みんなのふるさと〉中継リポーター」などを担当。また、イベント司会、講師でも活躍。一男一女のママアナ。ブログ「ママアナ関純子が行く!」を執筆中。

古谷誠章

建築家 早稲田大学教授

古谷誠章

建築家 早稲田大学教授

1955年生まれ。スタジオナスカ代表取締役。1980年に早稲田大学大学院修了後、1986年より近畿大学講師を経て、1994年に早稲田大学助教授。1997年より現職。代表作に「アンパンマン・ミュージアム」「茅野市民館」「小布施町立図書館まちとしょテラソ」「実践学園自由学園学習館」等。日本建築学会賞。日本芸術院賞。日本建築大賞。AACA賞など多数受賞。

Date

10月29日

Time

12:45〜14:15

会場:大阪美術倶楽部 詳細: 登壇者 竹原義二 木村博昭 古谷誠章

Epilogue

エピローグ これからの街

一般参加可能

大阪のこれからの街を考えるうえで、欠かすことのできない近代建築遺産をプロローグで紐解き、繋いできたものを再発見し、シンポジウム01~03において文化都市の復権で文化香る街への変貌とは、街の品格とは、大大阪時代以前の繁栄とは、その後、経済至上主義時代をまっしぐら、そして現在、失ったもの、得たものを探り、次にソーシャルな側面から行政交えて諸問題を掘り下げ、新しいの視点からの考察を重ね、市民目線での街づくりを各方面で活躍される方々と共に考えていく。以上の論考を踏まえ、建築家が繋いでいくものを再考し、「これからの街」のあり様を整理し、問題提起する。繋いでいくことこそ記憶であり文化である。微笑みこぼれる街、生きれる街とは…これらをこのエピローグ「これからの街」で皆様と共に考える機会になればと思います。

登壇者
竹原義二

建築家

竹原義二

建築家

1948年生まれ。1978年 無有建築工房設立。2000年~2013年 大阪市立大学教授。2015年~ 摂南大学理工学部建築学科教授【受賞】渡辺節賞。村野藤吾賞。他多数。

木村博昭

建築家

木村博昭

建築家

1952年 大阪府生まれ。1979~82年 グラスゴー大学Mackintosh School of Architecture 大学院博士課程。1983年 Ks Architects共同設立。1986年~ 同木村博昭+Ks Architects。1997年 神戸芸術工科大学環境デザイン学科助教授。2000年 同教授。2006~ 京都工芸繊維大学大学院 建築学専攻 建築設計領域教授。【受賞】1991年 大阪建築コンクール渡辺節賞。1992年、2000年 大阪建築コンクール知事賞。2004年、2007年 神戸景観・ポイント賞。2005年 第8回関西建築家大賞。 2008年 アジア建築家協会・アルカシア賞佳作。2015年 Hon.FRIAS, 英国スコットランド王立建築家協会名誉上級会員。

古谷誠章

建築家 早稲田大学教授

古谷誠章

建築家 早稲田大学教授

1955年生まれ、早稲田大学、同大学院修了。文化庁芸術家在外研修員としてマリオ・ボッタ事務所。近畿大学工学部助教授などを経て、現在早稲田大学教授。【受賞】JIA新人賞、日本建築学会賞、日本建築大賞、AACA賞、日本芸術院賞など【作品】『アンパンマンミュージアム』 『詩とメルヘン絵本館』『ジグハウス/ザグハウス』『茅野市民館』『小布施町立図書館まちとしょテラソ』『実践学園自由学習館』『喜多方市庁舎』『日清食品WAVE』など。【著書】『Shuffled』『がらんどう』『建築家っておもしろい』『NOBUAKI FURUYA,179WORKS』ほか