ご挨拶

JIA 公益社団法人
日本建築家協会
会長
六鹿 正治

JIA建築家大会2016が大阪で開催されます。
「笑都物語 繋いできたもの 繋いでゆくもの」というタイトルのもと、日本中から大阪に集結した熱意あふれる建築家たち、そして建築や街に関心のある人々が語りあい、学びあい、交流をはかる大いなる場となります。
文化、社会、市民などのキーワードを手がかりに、多くの異なる背景を持つ建築家や建築や都市に関わる人々が集い、それぞれの経験や知見をショート・ストーリーとして披露し、その一つ一つのストーリーを繋いで大きなストーリーとして紡ぎ上げていく、そんな学びと発見の場になれば素晴らしいと思います。
大阪は伝統的に商いの精神の凝縮された都でもあります。商都大阪です。商いは売り手と買い手とだけで成り立つものではありません。売り手と買い手の間に必ず世間が存在します。商いは売り手と買い手にとってだけでなく世間にとってもよいものでなくてはならないのです。この「三方よし」の精神が大阪においても商いの極意として長く受け継がれてきました。「世間」は建築においては社会性に繋がるものと言えます。
大阪は笑いの精神にあふれた都でもあります。笑都大阪です。社会や人生の様々な事象に笑いの元を見つけ出すのは実は極めて高等な精神の働きであり、また深い洞察や智恵、寛容な心の姿勢が必要になります。笑いは人の心身を健康で積極的なものにします。元気の源にもなります。建築や街をもっと元気にするのに笑いの力が必要かもしれません。
笑都であり商都でもある大阪で、建築と街、伝統と文化、社会と市民についてじっくり語りあい、笑いのエネルギーと商いの精神を惜しむことなく互いに分かち合おうではありませんか。

JIA 公益社団法人
日本建築家協会
大会実行委員長
松本 敏夫

皆さま、こんにちは、「ようこそ おいでやす」大阪よりご挨拶申し上げます。
いよいよJIA 建築家大会2016 大阪が開催されます。昨今の東京一極集中の状況において、地方創生が大きなテーマになっていることを受けて、今回は大阪を題材にしてこれからの街のあり様を考える大会にしたいと考えております。グローバル化の影響で均一化した街から地域特性豊かなローカルへ視点を切り替えて、人が活き活きと生きていける環境(街)とは何かなどを考えてみたいと思います。
今、大阪の評価はあまり良いとは言い難い状況にあります。しかし大阪の街には独特の歴史的背景と人情、そしてオリジナリティーがあります。何時もあらゆるジャンルの発信基地とも言われています。大大阪時代以来、経済に偏り過ぎた結果、文化がなおざりにされた感もありますが、おっとどっこいよく見ると近代化遺産始め多くの社会資産があることを発見します。そういった土壌から大阪の発想力の豊かさへ繋がっているとも言えます。
落ち着いた街には必ず時代の変遷が刻まれ、それらが人々の記憶の媒体となり未来へ繋がっていくと確信いたします。成熟期に差し掛かり、価値観の多様性が求められ、それぞれが尊重され、融合することで偏った格差を超越し、笑いに包まれた生活の営みを通して、ともに安らかに生きられる社会が求められています。
今を嘆き・叫び・語り・聞き・考え、最後に笑える、もう一度足元を見つめ直し「繋いできたもの、繋いでゆくもの」を再考し、近未来のあり様への問題提起で独自の発展形を模索し、自分の住む街を皆様と共に、考える機会にしましょう。是非、多くの建築家が参画されますことを期待致しますと共に皆様のお越しを大歓迎でお迎えいたしたく、心よりお待ち申し上げております。

JIA 公益社団法人
日本建築家協会
近畿支部長
井上 久実

皆様!JIA建築家大会2016が大阪にやって来ます。
近畿支部では、昨年、大阪地域会が発足したところです。まさにグッドタイミングとなりました。大阪地域会のキックオフ企画としてはあまりにも大きいイベントですが、苦難をもろともせず立ち向かっていく大阪人のど根性で、近畿支部一丸となって大会を盛り上げてまいります。
昨今、大阪をはじめとする地方都市はあまり元気がありません。様々な問題を抱え日々戦っています。そんな状況を我々建築家が先陣を切って、打ち破っていきたい。そのキッカケとなるようなテーマ=我々建築家に求められる姿勢を、大阪らしい言葉で考えてみました。
「笑い」とは“緊張や対立を緩め、距離感の近さを保ちつつ交渉を円滑にしてくれる生活の知恵”です。
テレビなどで流通される「商品としての笑い」ではなく、本来の大阪が持っていた“生活の知恵”としての「笑いの文化」をテーマに置くことで、この閉塞した状況を“明るく突破する”可能性が見出せるのではないか、そしてそういった可能性を一人一人の建築家が社会に発信していくことに大きな意味が有ると考えました。
また、実質を重んじながらも固定観念に囚われない考えを持ち、冗談や洒落、ユーモアにより緊張感を緩めながら、結果のみならずプロセスそのものをも楽しむ、という事が大阪の文化と笑いのエッセンスであります。それは我々建築家の本質に通じます。
この建築家大会では、一般公開のイベントも多々用意しています。それらの場において、建築家の役割を明確にアピールし、存在する価値を認知して頂き、社会とそこに住まうひとりひとりに向けて、もう一つの「笑い」である”微笑み“を発信していきたい所存です。皆様に是非ご参加いただき、一緒に戦っていただければ幸いです。笑都大阪でお待ちしています!