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  • 投稿:2014年3月27日
  • by 事務局
  • 広報委員会

JIA近畿支部大会・大阪 防災セミナーレポート

【執筆者】
針崎 昌彦(事業委員長)

 「ツナギ」をテーマに開催された「JIA近畿支部大会・大阪」の参加イベントとして、「災害による建物倒壊と人的被害予防」と題したセミナーが大会期間中の11月29日と12月1日の2回、ダイワラクダ工業株式会社の協力によりディアコレクション大阪で行われた。
企画は近畿支部事業委員会が担当し、委員でもある建築家の水野浩氏を講師として、近く発刊される地球科学の教科書「地震と火山のシステムと防災」のなかで自身が執筆を担当した建築の防災について、一般の方にもわかりやすく説明しようという試みである。
技術系のセミナーらしく難いタイトルで敬遠されるかと心配したが、初日午後7時と遅いスタートにもかかわらず業界関係者、大学生以外に一般の参加者もあって、近年大きな災害が頻発するなかでの防災に対する意識の高まりがうかがえた。
講師の略歴を紹介して始まったセミナーの内容は、建物に対する災害の種類、建築物の構造、災害が多様な建物に及ぼす構造的な負荷、そして人的被害を最小にするために考えられる予防策と幅広い分野におよぶ。企画当初から内容的に少し難解ではと予想したが、現在も関西大学で非常勤講師として後進を指導する水野氏のわかりやすく丁寧な説明と、プロジェクターと適所に手製の構造模型を使った解説で、視覚的にも理解しやすい90分間の講義であった。
今回のセミナーは一般の参加者を対象に企画されたが、建物を設計する建築家にとっても、災害に対するリスクを最小限に抑えるために必要な知識を改めて確認するよい機会になったと思う。
事業委員会としては、今後も建築にかかわる「防災、減災」の再認識のために継続してこのセミナーを企画出来ればと考えている。