■ 建築家資格制度の動き 閉じる

JIA・日本建築士会連合会
「新たな建築資格制度」創設に向けた基本合意を発表!

平成14年11月1日(金)
建築会館にて




 11月1日(金)、建築会館(東京・芝)において、日本建築家協会(会長・大宇根弘司)と日本建築士会連合会(会長・宮本忠長)の2団体が、新たな建築資格制度の創設に向けて基本合意し、調印を行った。市民に理解されやすく、国際的な資格の相互認証も視野に入れた第三者認定による資格制度を立ち上げるため始動する。内容の詳細は基本合意書(全文掲載)に記載されている通りだが、「両会長の挨拶」と、JIA副会長・河野進氏による「合意書の背景と意義」を特別掲載。"行動するJIA"の一歩を記する発表ともなった。
出席者
日本建築家協会
会 長 大宇根 弘 司
副会長 河 野  進
CPD(継続職能研修) 評議会委員長 鬼 頭  梓
専務理事 柳 澤 璋 忠
日本建築士会連合会
会 長 宮 本 忠 長
副会長 青 木 三 郎
専攻建築士制度推進特別委員会委員長  藤 本 昌 也
専攻建築士制度推進特別委員会副委員長 小 黒 利 昭
専務理事 内 藤  尚

"新たな建築資格制度"創設に向けての2団体基本合意書

平成14年11月1日

 一昨年(平成12年)7月、建築技術教育普及センターに<建築設計資格制度調査会>が設置され、<資格制度>についての本格的議論が始まった。
<調査会>は国の参画も得て、建築関係5団体(日本建築学会、日本建築士連合会、日本建築士事務所協会連合会、日本建築家協会、建築業協会)の会長を中心に構成され、主として?法的制度も含め、今後の国内資格制度を、国内、外の社会的状況の変化を踏まえて、どう抜本的に見直すべきか、?資格制度の国際化対応をどう考えるかの二点について検討が進められている。殊に?の国内資格制度改善はわが国の建築界にとって、十数年来に及ぶ懸案の課題であり、先の社会的動向を考えれば、建築界の合意として、現実的な着地点を見出すべき時期に来ていると考えるべきであろう。
日本建築士会連合会及び日本建築家協会は、こうした社会的要請に応えるべく、各々の立場から、長年の議論の成果も踏まえて、新たな建築資格制度の現実的な着地点を探り始めたのである。
日本建築士会連合会は建築士法をベースにした社会的制度としての「専攻建築士制度」の創設を、日本建築家協会はUIAの基準との整合性を視野に入れた「建築家資格制度」の創設を提案、次の段階として、より具体的な制度設計に向けての検討を進めようとしている。
一方、建築教育分野においても国際化の流れをにらみつつ、"職能教育"を念頭においたわが国の建築教育全般にわたる制度改革の検討が進められている。
以上のような状況を考えれば、わが国の建築界にとっての現段階の緊急課題は、われわれ個人会員によって構成される建築資格2団体が協調、率先して、他団体との協力をとりつつ、また行政との緊密な連携も図りつつ、われわれの動きをひとつに収斂させ、これからの時代の要請に的確に応えうる"新たな資格制度"を具体的に打ち出すことだと考えた。そして、そのためにも、われわれは先ず、制度化に向けての中間段階の現時点を捉え、総論としての共通認識と、各論としての制度設計上の基本的事項に関する合意点を相互に確認し合うべきだと考えたのである。
以上の認識に立って、われわれは繰り返し協議を重ねた結果、いくつかの論点について一定の合意を持つに至った。
そこで、われわれ2団体の会長は、その合意内容を本文も含め、以下に示すような基本合意書としてとりまとめることにした。

1)長期的な展望に関する合意内容
長期的には、現代社会の真のニーズに応えるべく、建築士法 制度や建築教育制度といった基本制度の抜本的改革も視野に 入れた、新たな建築資格制度を再構築するものとする。

2)中短期の対応に関する合意内容
中短期の対応としては、日本建築士会連合会の提唱する社会 的制度としての「専攻建築士制度」の基本的考え方(グランドデザイン)と日本建築家協会が試行している「建築家資格制度」を整合させる方向で、具体的な資格制度設計を、他団体の意向も十分留意しつつ、可及的すみやかな全国施行を目指すものとする。

3)制度設計に当たっての基本的合意内容

(1) 専攻建築士制度のうち、日本建築士会連合会が目指す"統括建築士資格"と日本建築家協会が試行しようとしている"建築家資格"とを同等性のあるものにしていくとの考え方に立って、その認定基準等については、現行建築士制度の不十分な部分を補うと共に、APECアーキテクトをはじめUIA等の国際的動きにも合理的に対応できるよう定めるものとする。
(2) 上記の新たな資格は一定の期間毎に更新するものとし、更新のための条件については、継続能力開発制度(CPD)等を前提にして、合意を図るものとする。
(3) 他の専攻分野の種別、名称等については、関係する諸団体との連携を図りつつ、検討を深めるものとする。
(4) 資格者の登録・認定は、第三者性のある機関によって行うものとし、詳細については今後更に検討するものとする。
(5) われわれは他団体にも呼びかけて、今回の資格制度の立ち上げに向け、各地域での協調関係を強化するものとする。

社団法人 日本建築家協会   社団法人 日本建築士会連合会
会 長 大宇根 弘 司        会 長 宮 本 忠 長



建築家資格と統括建築士の整合性を図り、今、新資格制度を打ち出す意義
JIA会 長 大宇根 弘 司
日本建築士会連合会 会長  宮本忠長

JIAと日本建築士会連合会との2団体基本合意書の背景と意義
JIA副会長 河野 進
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