■ 建築家資格制度の動き 閉じる

建築家資格と統括建築士の整合性を図り、今、新資格制度を打ち出す意義




JIA会長 大宇根弘司
私どもは団体設立以来、ずっとこの職能運動を展開してきました。それは我々が建築家としてきちんと市民あるいは消費者にサービスを提供できるように、機能を果せるように環境整備をしたいということで努力をしてきた訳です。その中の非常に大きなテーマが、建築家資格でありました。
日本において建築設計する場合、建築士法が基礎になっているわけですが、これが技術者法になっている。これは国際的な資格・基準と大きく違う、さらに実態として、有資格者の約2割しか建築の設計監理に携わっていない。その設計監理の中でもかなり機能分化していて、設計する人の資格が消費者に分かりにくくなっている。それを明確にし、また何とか国際的な基準に則ったものにして日本の国民・消費者に国際的なレベルのサービスができる仕組みにしたいということを訴え、努力してきたわけです。
数年来、士会と具体的な取り組みを行ってきまして、現時点では立場は必ずしも全てが一致しているということではないが、そのことを踏まえた上で、なおかつゴールを一つに目指して一緒に取り組んだ方がより効果も上げられるだろうし、我々の目指している消費者の利益擁護につながるはずだ、ということで合意書を取り交わしました。
今後はその主旨に則って、他の団体も一緒に加わってもらい、良い建築づくりができるように、環境整備のために努力をしていきたいと思っています。
協議の進行として、まずは、作業部会をすぐ発足したい。
また、その作業に入るためにも、JIAでも資格の基準、認定の方法、あるいは全体の運営の仕組みなどについて、これまで試行してきているわけですが、総括した上で、具体化してきちんとしたものにする。そうすることによって士会とより具体的な話ができるだろうと思います。会員の方々には充分理解して頂けるよう努力していきます。


日本建築士会連合会 会長  宮本忠長
一番の目的は市民へのサービス、貢献であり、市民益を第一に考えていきたい。そうすると、JIAの長年主張をしてこられた建築家資格の問題と、私達が考える統括建築士とが非常に共通点が多い。約1年半検討してきて、これはやはり一日も早く一緒にやろうということになりました。それには資格といっても、一方でそれを証明するもの、CPD(継続職能開発)の義務も履行する必要があります。これもJIAではすでに先行、進んでおられますが、士会連合会としても、平成17年から取り止めになる大臣指定の講習会に代わるものとしてCPDを考えてきました。その点でも多分に一緒にできる、ということでこの共同宣言になりました。
これから建築家の新しい資格制度を一日も早く実現すべく、努力していきたいと思っております。

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