• 投稿:2021年5月15日
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支部長通信2021 4月号

今年の春は暖かいんですかね?今年の桜は結構早い時期からつぼみが開いて来ているように思います。私が住む芦屋も芦屋川沿いの桜が先月茉頃から既に満開で、今が見頃のようですが、あちこちでお花見を自粛するよう呼び掛けていて、昨年に引き続き、今年も大々的なお花見は無理そうですね。私の事務所では毎年4月の第一土曜日に事務所を開放し、施主を中心にいろいろな方をお招きして、お花見パーティーを開催しておりましたが、昨年に続き、今年も中止となってしまいました。いつも100人くらいの方が参加してくれていたので、早く日常に戻り、来年こそは開催できるようになればいいなとこっそりと願っています。では今月も支部長通信、お付き合いください。

4月1日

本日は広報委員会です。私は参加できませんでしたが、5月発刊予定の広報誌も順調に進んでいるようです。支部のウェブサイトのブラッシュアップ作業も順調に進んでいるようで、一安心です。広報委員会の皆さま、大変お疲れさまです。楽しみにしておりますので、引き続き、よろしくお願いいたします!

4月7日

たまには住宅部会のことも書きたいと思います。近畿支部には、古くから住宅部会がございます(全支部に住宅部会がある訳ではございません)。この住宅部会は、部会ですので、有志の集まりです。会費が1,000円/月で、コロナ以前は毎月例会があり、それら例会は部会員なら、誰でも無料で楽しめます。作品展委員会があったり、カタログ委員会があったりと、なんだかんだ言っても一番活発に活動しているように思います。数年に一度建築家カタログを発刊しているのも、この住宅部会です。これまで、さまざまな場所で行ってきた作品展も基本的には、この住宅部会の作品展委員会が企画してきました。JIAに入って、いろいろと活発的な活動をするなら、先ずは住宅部会に入るのが良いのかなと思います。毎月、2人一組で世話人が決まっていて、その2人で、その月の例会行事を企画し、実行します。私自身も部会に入っていますが、今は支部長として忙しく、部会活動はほぼ休止しておりますが、以前はベトナムで活躍されている西澤さんをお呼びして、講演会を開催したり、世界の面白い住宅写真を撮り続けている小松義夫さんをお呼びして、世界の面白い住宅について語ってもらったりしました。そして、それら企画等を話し合う世話人会というのが、毎月1回ありますが、それが本日でした。私は、長らくこの世話人会には出席できていませんが、以前は、月に一度、綿業会館へ出向き、会議に出席し、その後みんなで飲みに行くのが楽しみの一つでした。その飲みの席で語られる話は、私にとっての貴重な情報源でした。今は、集まることはなくなっているようで、全てオンラインで世話人会を行っているようです。一日も早く、元の対面形式の日常に戻ること(もちろんオンラインも便利で良いんですが)を願います。

4月8日

学生委員会の学生たちに綿業会館に集まってもらい、事務局会議室の改装を目的とした、事務局視察ならびに意見交換会を行いました。約半年続けてきた学生委員会ですが、本日初めて対面で会いました。せっかく初めて会ったというかやっと対面で会えたのに写真を撮り忘れてしまいました。なんと間抜けな!それにしてもやはり対面で会うのは良いですね!オンラインでは絶対に感じ取れないことを感じ取ることができます。事務局でのミーティングのあと、前田委員長と私の事務所訪問(たまたま前田さんと私は同じビルに入居しているので)をし、学生と引き続き有意義なミーティングができました。コロナ禍でなければ、みんなで食事にでも行けたんでしょうが、生憎の世の中ですので、それは自粛。寂しく解散となりました。

4月12日

兵庫地域会総会の日ですね。しかし、コロナ禍ということもあり、特に声も掛かっていないので、出席はしていません。有意義な総会となったことと思います。その代わり、午前中は国交省の担当者とBIMの活用状況などを中心に意見交換をしました。BIMを活用しているアトリエ系事務所と意見交換をしたいという国交省からの要望を受け、先週、メンバーを募り、その結果約6名のアトリエ事務所のメンバーと国交省の担当者2名とオンラインで意見交換をしました。国交省と繋がることで、今後国にいろいろと要望も出せる環境にあることは、非常にありがたいですね。今後も何かあれば国交省に意見や要望を出していきたいと思います。

4月13日

本日は本部理事会の日でした。いつも通り、11時半から1時間の勉強会、30分の休憩を挟み、その後16時半まで理事会です。長丁場です。コロナ禍以前は、東京で理事会をし、その後、恐らくみんなで食事に行ったりしていたんでしょうが、それもまだまだ当分は無理のようです。さて、今月の理事会は以下のような内容でした。先ずは勉強会から。テーマは「建築と都市のはざま」ということで講師に中野恒明さんをお招きしてレクチャーをしていただきました。著書「まちの賑わい再生の軌跡」にもありますが、山口県の門司を皮切りに全国さまざまな都市の再生をされている方で、非常に面白かったです。是非近畿でもレクチャーをしてもらいたいと思います。理事会は審議事項として、入退会承認、委員会規程の改訂および運用基準の承認、全国会議の新カテゴリー承認、新たな連携会議の設置承認、建築家大会2021に関連する内容の承認、JIAマガジン公開の是非に関する承認、その他です。いくつかは持ち越されましたが、概ね承認されました。審議事項としては、署名、記名押印に関する取り扱い、オンライン対応や、その環境整備に特化した委員会の設置の2項目です。そして、報告事項へと続きました。表彰委員会、総務委員会、SDGs建築フォーラム実行委員会、国際交流委員会、その他活動および業務執行状況と続いて、最後に各支部報告があり、予定通りに終了しました。それぞれ詳細についてお知りになりたい方は、直接ご連絡ください。

4月14日

先日もお伝えした通り、関西建築家新人賞が決まりました。今日は、その記者発表です。いよいよオフィシャルに発表されました。今年は2名の受賞ですが、凄いことに、このお二人、事務所をシェアしているんです。白須氏と山口氏両氏は大学も同じです。就職先は違いますか、その後互いにそれぞれが独立し、建築活動をされてきたようです。私は支部長として、表彰状を授与しただけですが、なんだか少しだけ緊張しました。私は、この新人賞を目指してJIAに入った当初(2005年)から45歳まで3度現地審査まで進みながらも結局叶いませんでした。今思い返せば、あの時は凄い力んでいたなぁと思います(笑)。今回のお二人は、その作品も素晴らしく、現地審査でも非常にスマートに上手くプレゼンされておりましたが、なんといっても施主力の高さに驚きました。この施主力の高さは非常に大事で、これまで見てきた雑誌に載ったり、賞を受賞するような建物はどれも施主力が非常に高いんです。建築家の能力を最大限引き出し、さらにそこで住みこなす力。いや、住みこなすというよりも住まうことで、その建築をポテンシャルをさらに引き上げている力。これを私は施主力と呼んでますが、両者の作品は、それがずば抜けていました。しかし、そんな施主と出会うというか、そんな施主を引き寄せるのは建築家の力ですよね。一般的に、建築家は30代半ばくらい?から独立をしたとして、45歳まで僅か10年程度。その間に施主力の高い人に出会い、それを形にし、発表する。そもそも仕事の量もそんなに恵まれていない中で、それを実現する事は、能力だけではなく、多少の運もあるんだろうと思います。つまり、かなり限られたチャンスを確実にモノにしなければなりません。そしてその与えられたチャンスを最大限活かすのが建築家の力。自身の経験からそんな事を考え、それを改めて実感させられた機会でした。白須氏、山口氏の両若手建築家のこれからの活躍に大いに期待しています。おめでとうございます。

第13回関西建築家新人賞 結果ページへ
https://www.jia.or.jp/kinki/kinki/wp2022/rookie/13139.html#kekka

4月15日

先月の支部長通信で、会費未納者の取り扱いについて書かせていただきました。少しキツイ表現になってしまっている部分もあったかと思います。その個人によって、それぞれ事情や経緯があることも理解いたしました。しかし、一方で組織というのはどこかで線引きをしないといけないことはご理解ください。それぞれの個別事情を聞いていると、いろいろあるようですし、本人の意志による退会は、残念ですがいたし方ありませんね。ただ、私が先月伝えたかったのは「建築家としての自覚」の話です。丹下さんの時代と比べて、建築家の品格が低下してきているのではないかと思うことがあります。特にお金については、日頃、依頼主の大切なお金を預かり、設計をさせていただいている建築家にとって、大事な資質のひとつだと信じています。改めて「建築家の品格」について考え、「建築家としての自覚」を持った行動を一人一人が考えて欲しいと思いました(もちろん私自身も含めて…)。先月お伝えした8名については、残ったのはお一人です。残りの7名については、残念ながら退会されましたので、ここに追記させていただきます。そして昨日の関西建築家新人賞の取材記事が新聞に出ていましたので、ここに改めて掲載したいと思います。

4月16日

本日は和歌山地域会の総会ですが、特にお声も掛かっていないので、出席はしておりません。今週初めの兵庫地域会もそうですが、今年もオンラインを中心とした総会が主流ですので、その辺りは粛々と進んでいきますね。話は変わりますが、日本設計が中国の深汕総合ターミナルの基本計画コンペで1位を獲得されたそうです。おめでとうございます!

4月19日

本日は、支部役員会です。14時から活性化戦略会議、15時から支部役員会、臨時役員会と続き、そして17時半から18時半まで勉強会です。という訳で役員会の内容として、先ず審議事項は本部の総務委員や財務委員へ支部から派遣するメンバーの承認と今年の総会の開催方法についてです。審議の結果総会は完全オンラインで開催することになりました。続いて協議事項ですが、今年の支部大会の開催の是非ならびに方法についてと、会員名簿のあり方について協議しました。会員名簿、非常に悩ましいですが、何度話し合っても、良い解決策が見いだせません。報告事項としては、本部理事会報告の後、支部報告として、表彰委員会から関西建築家新人賞受賞者の件、協力会委員会から正会員と協力会員との共同について、国際委員会から釜山建築大展について、建築教育研究会から卒業設計コンクールについて、大学院インターンシップについて、総務委員会から若手会員の増強策について、後援名義の承認、事業連携協定の更新など。そして最後に各委員会、研究会、部会、地域会からの報告で終了しました。時間が押していたので、そのまま勉強会へと突入。勉強会は石の彫刻家の牛尾敬三さんに「メビウスの石影 海外を渡る」と題してご講演いただきました。彫刻家は建築家と違い、本当の意味で「自由に表現」することが許されている職業。それ故にその創造性は果てしない。そんな風に感じながら、見ておりました

4月21日

夕方から大阪地域会の総会に出席(と言っても支部長としてではなく、一地域会員として)し、そのまま住宅部会との合同記念講演会を聴かせていただきました。創造形不動産を運営されています高橋さんにお話をしていただきましたが、これが非常に面白かったです。数冊の著書も出されているようですので、買ってみようと思います!建築学科を出られて有名設計事務所で働いた後に不動産屋さんで働き、その経験を活かして独自スタイルの不動産屋さんをされている方です。勉強になりました!
同時間帯に、当事務所をミーティングの場として使いたいという学生委員会、通称Hazama Lab.のメンバーも集まり、いろいろと議論をしていましたが、内容までは聞こえてこなかったので、また次回の報告会が楽しみです。学生の皆さん、お疲れさまです。

4月23日

今日は本部国際委員会のWEBINERの日でした。海外で活躍する日本人シリーズで、今日はミャンマーで活躍するフューチャーリンク建築社という事務所を主宰されている3名の建築家、大賀さん、イアンさん、平木さんに「変革期の建築家とは-ミャンマー編」と題して、レクチャーをしていただきました。今、不安定な政情によって、世界の注目を集めているミャンマーからの話は、発展途上国ならではの大変さを感じ、また違った設計事務所の仕事のあり方が垣間見えた内容で今日も非常に面白かったです!クロスボーダーアーキテクトシリーズ、次回は5月21日でケニアからですので、皆さんも是非視聴してみては如何でしょう!

JIA国際委員会 ウェブサイト
クロスボーダーアーキテクト《越境建築家》たちとの対話シリーズー国境を越えて生きる建築家8人に聞くー
https://jia-intl.org/webinar2020-2021/

4月24日

京都地域会の総会がありました。流石いつもアイディアに溢れる京都地域会という感じで、この一年間の活動をショートムービー形式の動画と共に報告をされていたのが、印象的でした。映像を見ながらだと、見ている側もいろいろとビジュアルで思いだすことができて、非常に良かったです。そしてその後の倉方さんの記念講演も京都の近現代建築を題材に話されていましたが、倉方さんの話もさることながら、魚谷さんの司会進行および質問やコメントも面白く、良いテーマだったと思います。その後の打合せのスケジュールの都合、私は質問タイムの途中で退場してしまいましたが、時間があれば、次のようなことを聞いてみたかった?コメントしてみたかった?と思いましたので、代わりにここに書き記しておきたいと思います。擬洋風建築から始まった日本の洋風建築はその後、お雇い外国人から日本人へとバトンが渡され、後のさまざまな近現代建築を生み、現在も、その多くが残っていますが、最近の京都は擬和風建築(私が勝手に名付けてます)が次から次へと作られており、それらが街並みを壊しているようにも思います。伝統というのは守るだけではなく、新しいことを試みながら取り入れることで、次第に伝統の一部になるのではないかと思っています。そういう意味で京都も時代と共に常にその時々の新しいものを取り入れながら、伝統を繋いできたはずですが、昨今の擬和風建築は、ただ単に下手なコピーを繰り返しているだけで、これらは伝統の一部にはなり得ないのだろうと倉方さんの話を聞きながら感じていました。
非常に良い題材でした。京都地域会の皆さん、魚谷さん、倉方さん、ありがとうございました。

4月27日

今月最後の会議は総務委員会でした。前回に引き続き、組織事務所に所属するJIAに入っていない若手社員からヒアリングをし、彼ら世代はなぜJIAに入らないのか?というテーマの元、意見交換をしました。その中で興味深かった意見がありました。以前JIAが主催している日韓のワークショップに参加したことがある男性でしたが、彼曰く、それが非常に面白かったと。JIAに入らなくても、こんな楽しいイベントに参加できるのなら、別に入会する必要はないということでしたが、その意見を聞いていて、大切な部分が彼の中で完全に欠落していると思いました。それは、その楽しいイベントを裏方で支えている会員がいるということ。彼らがいるからイベントができているということ。そして会員が減少して行けばそういうイベントを開催することができなくなるということ。つまりこの意見を言った彼の後輩たちは、彼が経験した同じ体験をすることができなくなるかもしれないということ。自分は楽しかった。だから後輩達にも同じように楽しんで欲しいという気持ちでJIAに入り、今度は自分が誰かの役に立とうという気持ちには繋がらないのが最近の若者の傾向なんでしょうか?個人的には、どこか冷めていて非常に自分本位な感じがしました。また、別の男性からは、若手が減っているから(人手の為に)若手を入れたいという風に聞こえるとまで言われましたが、全くこちらの意図が伝わっておらず、ただただ残念に思いました。私なんかはJIAに「憧れて」入った人ですから、彼らの意見には全く共感することができず、世代間のギャップを感じました。この問題は、今後も引き続き、考えていかなければならない深刻な問題だと思います。JIAとしての求心力が改めて問われている気がいたします。

4月28日

朝からIAO竹田設計の竹田秀道さんのお別れの会に参列させていただきました。リーガロイヤルホテルで開催されたお別れの会は大変立派な会で、併設されていたMemorial Exhibitionは見応えがあり、またご本人のJIAで活躍されている時の若い頃の写真も多く展示されており、興味深く見せていただきました。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

世間では29日からゴールデンウイークに突入しているようですが、当事務所はカレンダー通りです。スタッフからは、どこがゴールデンやねん!と怒りをぶつけられております。しかし、コロナも収束せず、ワクチンの供給もままならず、緊急事態宣言も再発令され、自粛自粛の連続で、世間的にも、ちっともゴールデンな感じがしませんが、自然の力に対して、人間は無力なんだと阪神・淡路大震災の時に痛感して以来、自然災害(今回は人災か?)が起きる度にどこか冷めた自分がいます。なるようにしかならんと思っています。自然相手に人間がいくら抗っても勝ち目はないんですから。あっという間に多くの命を奪っていくのが自然です。人はそんな自然と寄り添いながら生きていくしかないんです。だから自然に対して優しく接していれば、自然も自ずと優しさを返してくれるでしょう。そんな風に思います。
皆さまもコロナには気を付けて。ではでは、また来月。

近畿支部 支部長 津田 茂

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