JIA環境建築賞

※ 写真・文章等の転載はご遠慮ください。
第3回JIA環境建築賞

<<住宅部門>>
最優秀賞
恒見邸 再生工事
入賞
再生エコハウス
妙壽寺庫裏
パストラルコート
 と街の修景

<<一般建築部門>>
最優秀賞
いわむらかずお
 絵本の丘美術館
東葛テクノプラザ
優秀賞
埼玉県環境科学国際
 センター
入賞
いわき市立草野心平
 記念文学館
神戸関電ビルディング
NTT武蔵野研究
 開発センタ本館
パサージュガーデン渋谷
 「投資育成ビル」
一般建築部門 優秀賞
埼玉県環境科学国際センター


(C)Photo:木寺 安彦
 
所在地:
埼玉県埼玉郡騎西町

建築主:

埼玉県
設 計:
横河健/横河設計工房
テーテンス事務所 葉山 成三
施 工:
建築:奥村・松栄・小川特定建設工事共同企業体
   島村・小沢特定建設工事共同企業体
設備:大成設備・栄特定建設工事共同企業体
   高砂・オキナヤ特定建設工事共同企業体 他
講 評:  JR鴻巣駅からタクシーに乗って20分ほど走ると、住宅が疎らになって田園風景が広がってくる。環境科学国際センターはそんな地域環境空間の中に建つ。この建物は、オゾン層の破壊や地球温暖化のように地球規模のスケールで捉えられる傾向にある環境問題への埼玉県としての中心的役割が果たせるよう計画・設計された。埼玉県における大気や土壌・水の汚染状況やその対策方法の研究、環境科学に関する東アジア諸国の研究者との共同研究や研修プログラムの展開、県民を対象にした環境学習などの展開を目的とした緒施設が、贅肉のないシャープな〈すがた・かたち〉の中に纏めあげられている。
 自然のポテンシャルの利用としては、太陽光発電・太陽熱給湯・光ファイバー利用照明・風力発電・雨水利用トイレ汚水処理などが行なわれている。また、一部に放射冷暖房システムが採用されている。いずれもアクティブ型システムである。これらは、贅肉のないシャープな建築形態との整合性の追及による必然だったかもしれない。建物内部を歩いていて、少し〈硬さ〉を感じたが、その原因は、通風や昼光照明などのパッシブ型システムの不足にあると思われた。(宿谷昌則)