山中湖畔近くの雑木林の中に建つ三人家族の住む住宅。シンプルな切妻屋根の中央に立つ煙突が特徴的である。スキップフロアで連続したワンルーム空間。リビングは半地下で、日当りや周辺の緑や雪景色を意識したレベル設定がされている。
　訪れたのは10月初旬だったが、室内に入ると外気より2度ほど暖かい。十分な断熱が効いており、冬でも自然室温で18～25度を維持するそうで、調湿素材や漆喰で湿度も調整されている。窓は檜サッシとトリプルガラスで、周囲の緑が目に飛び込み、開けたときの空気が心地よい。地域木材を使用し、セルロースファイバー断熱材等の自然素材を使い、健康に配慮した内外装となっている。　中央には版築壁が垂直に通っている。現在は石油ストーブだが、薪ストーブでこの版築に熱を蓄え、煙突が利用される将来の計画に期待したい。