JIA環境建築賞

住宅建築部門 優秀賞

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丈六の家

撮影:北田英治
 
設計者: 新居 照和(新居建築研究所)
建築主: 相原 千恵子
施工者: アークホーム
講評:

1980年に建てられた住宅を、20年後に再生してからすでに10年が過ぎている。旧住宅を中央に土蔵風に珪藻土で包み、その西側に幅4m、南側に幅2.1mの2層ボリュームのガラス空間で囲っている。この増築部分が半間ごとに120×210の柱を林立させ、貫とくさびの伝統木造構法で格子を組んだ構造で造られ、その外側を大きなLow-Eペアガラスで囲っている。西側からの日差しが丘で遮られ、心配した西日対策は必要なかったそうだ。南からのダイレクトゲインの受熱と、西側の目隠しを兼ねた緑化壁、そして通風と2層の高さによる夏の上部からの換気により、快適な環境を創りだしている。また、南前庭への排水浄化水による鑓水と高木緑化で蒸発熱と日射遮蔽の効果で涼しい。プライベートスペースを旧住宅部に内部化し、ガラスで囲った開放的な増築部との空間の対比も秀逸である。

  (中村勉)