短期のコンペによる木造の寄宿舎である。断熱気密に優れ、快適な建築となっている。さすがに寒冷の地での木造建築を多く手がける建築家グループの経験と知識が集積している。寒地における通常のコンクリート建築より数倍の快適さを作り出しているに違いない。周囲の緑地は当初駐車場の設営が考えられていたとことという。それを説得し緑の地としたことも良かった。二棟を繋ぐ折板の置屋根、渡り廊下の形状が唐突であることなど、設計の期間が短かったことによるのであろう「詰め」がもうひとつの宿題なのではないかとは思うが力作である。地域ごとに地域の知恵が集積する、それが特徴ある地域を作るのだろう。