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一般建築部門  優秀賞
大野市シビックセンター(学びの里「めいりん」)

設計者: (株) 葉デザイン事務所(葉 祥栄)
建築主:
大野市長
施工者:
熊谷・大野建設・三光産業JV
講評:  「大野市の空洞化した中心市街地に求心性をもたらすのは,交通弱者である老人と子供たちに他ならない。」という事前調査結果に基づき,子どもから高齢者まで生涯を通じて,「集い」「遊び」「学びあう」場を提供するための複合施設として,有終西小学校,生涯学習センター,大野公民館,視聴覚ライブラリーが一体的な空間の中で整備されている。
  何よりも印象的なのが,日本的なしつらえが長い歴史の中で育んできた精神性にある,と設計者が言うところの,奥深い軒と,濡れ縁によって構成された内と外のどちらでもない空間にある。そこを仕切っているガラスの引き戸と断熱性のある障子の内部には広縁が続いている。そこは多目的スペースであり,さらにそこを仕切る引き戸は襖か障子のように主室たる教室を南の運動場と広縁とを幾重にも仕切っている。
  環境面では,地下水の水位や水質に悪影響を与えないように地中熱交換ヒートポンプ方式を採用したり,豊富な地下水を深夜電力で温め,プールで蓄熱したり,地元産木材を利用するなど,省エネルギー・省資源に対する巧みな配慮がなされている。
  (梅干野 晁)