このところ耐震強度偽造問題に端を発し、JIAでは活発な論議がされています。建築基準法、建築士法の改正に向けて、JIAとしてはまず建築業界のあるべき姿を描いていく、それを元に法改正に対処する必要があるでしょう。
日本の社会は個人に全くの権限を与えない組織社会であるのに、結局は個人に責任を取らせて組織を守っていく構図が見えてきます。やはり個人に責任を持たせると同時に、それに相応しい独立性を持たせるような社会にしていかなければなりません。また、弱い立場の人々を守っていけるような公共の利益の優先性も盛り込んでいくべきであり、個人の権利と安全を守るだけでなく、公益を優先することによって市民に安心をもたらすことを考えていかなければならないと思います。
いくつかの講演会、鼎談を通して感じるのは、一般の方々に「建築家」をどうアピールしていくかが非常に重要だということです。諸先輩はそんなこと、とうの昔にやったことだと言われるかもしれませんが、最近のマスコミの報道を聞いていると建築界のことが何ら一般的な常識になっていないことを痛感します。JIAマガジンは残念ながら一部を除いて一般の目に触れることはありません。何らかの形でJIAの活動をもっと一般の方々に理解してもらう必要があります。メッセージを送っていくことは法改正が一般市民にとってどんな意味があるかを示すことにもつながるものです。建築業界はその中にいる者でさえ、はっきり見えてこないブラックボックスですから、一般の方にはもっと分らないでしょう。建築が社会の一部となっていくことを、建築家のことを我々が繰り返し説明していくしか一般の方々に理解される方法はありません。