建築家資格制度とは 閉じる

日本建築家協会が

新たに建築家資格制度を作りました。

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に向けて

建築家資格制度とは

         消費者が安心して設計を依頼できる登録建築家を作る制度です。

なぜ今建築家資格制度が必要なのですか?


わが国で建築の設計・監理を行うためには「建築士」資格が必要です。わが国の建築士は約90万人、2級・木造建築士を除いた1級建築士だけでも30万人以上いると言われています。しかし、そのうち本当に建築の設計・監理をしているのは、2割程度。残りは構造や設備の設計や、現場で施工を担当していたり、公務員であったり、教鞭をとっていたりします。消費者からすれば、1級建築士だからといって、安心はできないのです。つまり、現在の建築士制度は、消費者の利益を守るという資格制度本来の機能を果たしていません。こうした事態を改善するために、「建築家」資格制度が必要なのです。消費者が設計の専門家に安心して仕事を任せられるようにするための仕組みなのです。

建築家資格制度では、第三者性のある認定評議会で認定された建築家に「登録建築家」の名称を与え、その人の情報を公開するとともに、継続教育を義務づけ、三年毎の更新審査に合格しないと登録更新ができない仕組みとしています。


建築家の責任とは?


建築物は、規模の大小・用途の違い・公有か私有かによらず、それが建つ事による社会的な影響が極めて大きなものです。建築家は依頼主に対して安全で快適な良質の建物を提供する責任を負うのは当然のこととして、周辺地域の安全性向上やより良い景観づくりを心がける社会的な責任があります。また計画する建築物の建設過程から使用開始後の、自然環境に対する負荷を極力減らすと共に、耐久性の高い建築物を設計する責任があります。


建築家資格制度が実現すれば、欠陥建築は無くなるのですか?


建築家資格制度は、建築士法の不備な点を補うために、消費者(依頼主)が安心して仕事を依頼できる建築家を選び、その人たちの情報を公開しようとする試みです。審査の上認定された登録建築家は全員、十分な実績と高い倫理性を備えています。そして、本人の経歴や得意分野は、JIAホームページの登録建築家ポートフォリオで確認することができます。欠陥建築が生まれないようにするためには、消費者(依頼主)がこれらの情報に基づいて正しく建築家を選ぶことが必要です。


日本の景観が悪いのは建築家の責任ですか?


都市景観は、自然と、建築や橋などの人工構造物によって構成されます。日本の都市景観が悪いのは自然のせいではなく明らかに人工構造物のせいです。原因は、日本社会の経済優先主義や、都市計画における私権の優先など、様々な問題が絡み合っていますが、建築設計者にも責任の一端があります。なぜなら、戦後の建築教育や建築士資格試験があまりにも技術偏重だったため、美しさに敏感でない多くの設計者を生み出してしまったからです。


建築家の仕事とは?


「建物を建てる」という行為は、大きく2つのプロセスに分けることができます。「設計」と「工事」です。建築家は、設計という行為を通じて依頼主の求める機能を美しいフォルムのなかに実現します。設計が終わって工事が始まっても建築家の仕事は終わりません。工事期間中も「監理」という重要な仕事があります。「監理」とは、定められた工期と工事費で、設計図通り建物がつくられているかをチェックする仕事です。手抜き工事などが行われないよう、依頼主に代わりプロの目で厳しく監視します。


建築家はどのように仕事を進めるのですか?


建築物を設計するにあたっては、まず依頼主の要望を良く聞く必要があります。その上で計画敷地を調査し、周辺の地域環境を読み込みます。建物の規模や用途によっては、構造設備などの専門技術者の協力を得ながら、予算を念頭に計画を進めます。基本設計から実施設計へとより詳細に設計を煮詰め、工事発注に必要な設計図書を作成します。適正な施工者の選定から、工事期間中の監理とその後のメンテナンス・改修計画まで、多くの専門家の協力のもとに進めます。


消費者はどのように建築家を選んだらよいですか?


わが国では、建築士の資格を持たない人は建築の設計をすることができませんが、1級建築士でも、構造や設備を専門としている人もいます。建築の設計を専門としている人でも、建築士資格は更新制度がないために最新の情報に基づく設計ができない人もいます。JIA登録建築家資格は、1級建築士を要件にして、十分な実績と高い倫理性を持つ人にのみ与えられ、職能研修が義務付けられていますので、安心して設計監理を任せることができるのは、JIA登録建築家ということになります。



日本建築家協会と建築家資格制度
 

   
 
「登録建築家」制度の試行
  ————よい建築、よい街づくりのために
 日本建築家協会は登録建築家制度の試行を始めます。
建築は私たちに最も身近な生活環境です。美しく、快適で、安全で、福祉的で、地球環境に余分な負担をかけない建築が望まれます。そういう建築を設計・監理する人の責任は重大です。そのために、その最低基準を決めようということなのです。簡単に言えば、必要な素養があり、技術を修得し、倫理を身に付けた人を建築家と認定・登録しようということです。豊かな環境をつくるために、この制度は是非必要です。
ご存知のように、日本には建築の設計及び工事監理をする資格として建築士資格があるのですが、これがうまく機能していません。経済大国と言いながら、日本の街並みは貧しく、違法建築、欠陥住宅等の諸問題が少なからずあります。その原因の一部はこの制度の不具合にあるのです。この度試行する登録建築家制度とは、この不具合を改善するための提案なのです。
皆様と一緒に力を合わせて、よい建築、よい街づくりをしたいと思います。


   
 
建築家資格制度と建築士制度
  ————現行の建築士制度には不備な点があります
 欠陥建築問題の急増や日本の街並みの景観的貧しさは、わが国の建築設計者資格制度の不具合に起因している部分が少なくありません。日本の国民がヨーロッパやアメリカの国民並みの建築家サービスを受けられるようにするためにも、現行の一級建築士資格を、国際建築家連合(UIA)が推奨している建築家資格と同等以上にする事が緊急の課題となっています。これらの資格制度を比較すると、幾つかの大事なポイントで不十分な点が明らかになります。第一に大学などの教育機関における教科内容と年限の不足、第二に実務訓練(インターン)制度の不備、第三に資格試験が建築設計者本来の適正や能力をチェックするのに不十分な点、第四に継続的な研修(CPD)の義務付けや資格の更新制度がないことなどです。これらの点を改善するのが新しい登録建築家制度です。


   
 
建築家資格制度
  ————3つの段階をへて国家制度実現へ
 JIAが提案している建築家資格制度は最終的には国家制度を目指すものです。そのステップとして次の3段階を考えています。

第1段階 試行 暫定的な建築家資格制度をつくり
これを試行する

現行の建築士法に規定される建築士制度をベースにして資格の認定・登録・更新の仕組みをつくります。この仕組み作りにあたっては、既に専攻建築士制度を立ち上げている日本建築士会連合会と提携して、できるだけ共通する部分を多くするようにします。

第2段階 社会制度としての定着 諸団体との連携
第1段階で試行した結果を踏まえ、日本建築士会連合会、各建築士会と連携の上、制度全体をUIA基準と同等な建築家資格制度にしていきます。この段階では、大学で進む建築教育の改革とも連携した制度とします。実務訓練や試験制度など建築士法について改正すべき点を議論し、その上で、JIAの建築家資格制度と建築士会連合会の設計専攻建築士制度を一本化します。

第3段階 国家資格制度の実現
第2段階を踏まえ、他団体と共に建築家資格制度を国家資格制度にする運動を展開し、建築士法を改正して、これを実現します。


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