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■ 本牧スタンダード石油社宅(ソコニーハウス)及び敷地の保全活用に関する要望書を
   横浜市長と所有者宛に提出しました。
       

平成17年9月7日

横浜市長      中田 宏 様
横浜市都市整備局長 寺澤成介 様

社団法人 日本建築家協会(JIA)
関東甲信越支部   支部長 松原忠策
同 保存問題委員会 委員長 川上恵一
同 JIA神奈川  代 表 室伏次郎

「本牧スタンダード石油社宅(ソコニーハウス)」及び敷地の保全活用に関する要望書

 拝啓 時下益々ご清祥のこととお喜び申しあげます。
 さて、すでにご高承の事と存じますが、横浜市中区本牧元町75(417-1)に、チェコ出身のアメリカ人建築家、故アントニン・レーモンドが設計したスタンダード石油の社宅が空き家のまま残っております。A・レーモンドはフランク・ロイド・ライトが帝国ホテルを建設する時に助手として来日、後に日本に留まって活躍し、「日本の近代建築の父」ともいわれる大きな業績を残した建築家です。この建物は、1949年から1950年にかけて建てられたスタンダード石油の社宅(通称:ソコニーハウス)で、大戦中アメリカに帰国していたレーモンドの、戦後の日本における最初の作品として知られています。50年代アメリカン・ライフ・スタイルを今に伝える建物として、建築史的・生活文化史的に大変貴重な存在であると考えられます。
 ソコニーハウスは、東京の伊皿子に4戸、横浜山手に1戸、そしてこの本牧に4戸建てられました。伊皿子の4戸はすでに失われており、横浜山手の1戸はフェリス女学院12号館として活用されてきましたが、平成11年取り壊されて本部事務局棟に新築されました。また、本牧の4戸については、昭和56年にマンション建設のため南側の2戸が取り壊わされて、現在も残っているのは2戸のみです。なお、マンション建設時に事業者((株)本荘)から市への売却申し入れがあり、また昭和61年には北側の2戸についても当時の所有者であるモービル石油から横浜市に譲渡の申し入れがあり、市は取得に向けて内部検討した経緯があると聞いております。
 ソコニーハウスは、コンクリート打ち放しの躯体に大型の木製サッシュがはめ込まれたモダニズム溢れる建物で、特にこの住宅の「芯外し(カーテンウォール)」という新しい手法を駆使したプランは、建築史的にも重要なモダニズム建築です。また、昭和28年(1953)横浜市第1回建築コンクールで当時の平沼亮三横浜市長より表彰され、その記念プレートが現在も当地に残っています。また、敷地環境については、50年以上を経た今、当時敷地に植えられた木々は大きく成長し、春の桜、夏の蝉時雨、秋の色鮮やかな紅葉は近隣の住民や八聖殿を訪れる人々にとってかけがえのない自然環境ともなっています。
 さて、昨年6月、建築的・文化的に大変貴重な建築と豊かな自然があるこの土地に、墓地建設を計画する動きがあると聞き及びました。地元自治会でも既にこの貴重な建築や環境を保全すべく運動を開始し、横浜市長宛に要望書を提出したと聞いております。私達日本建築家協会(JIA)は、横浜の都市環境及び建築文化の向上に、JIA神奈川の会員を中心として、設計活動及び職能団体としての協働活動を通じて取り組んでおります。私たちもこの建物と敷地環境の保全に対して、地域住民の方々や行政関連機関と協力しながら進めていく所存でございますが、貴職におかれましては、この建物と敷地環境が安易に破壊されることなく、将来に亘って保全の措置を講じるよう、地権者及び事業者をご指導下さいますよう、お願い申し上げる次第です。

 なお、社団法人日本建築家協会関東甲信越支部、同 保存問題委員会、及びJIA神奈川はソコニ−ハウス及びその敷地の保全活用に関してできる限りの協力をさせて頂くことを申し添えます。

敬具

平成17年9月7日

神鋼商事株式会社 代表取締役社長 森脇亜人様

社団法人 日本建築家協会(JIA)
関東甲信越支部   支部長 松原忠策
同 保存問題委員会 委員長 川上恵一
同 JIA神奈川  代 表 室伏次郎

「本牧スタンダード石油社宅(ソコニーハウス)」及び敷地の保全活用に関する要望書

拝啓 時下益々ご清祥のこととお喜び申しあげます。

 さて、すでにご高承の事と存じますが、横浜市中区本牧元町75(417-1)の貴社所有地に、チェコ出身のアメリカ人建築家、故アントニン・レーモンドが設計したスタンダード石油の社宅が空き家のまま残っております。A・レーモンドはフランク・ロイド・ライトが帝国ホテルを建設する時に助手として来日、後に日本に留まって活躍し、「日本の近代建築の父」ともいわれる大きな業績を残した建築家です。この建物は、1949年から1950年にかけて建てられたスタンダード石油の社宅(通称:ソコニーハウス)で、大戦中アメリカに帰国していたレーモンドの、戦後の日本における最初の作品として知られています。50年代アメリカン・ライフ・スタイルを今に伝える建物として、建築史的・生活文化史的に大変貴重な存在であると考えられます。
 ソコニーハウスは、東京の伊皿子に4戸、横浜山手に1戸、そしてこの本牧に4戸建てられましたが、現在も残っているのは本牧の貴社所有地内の2戸のみです。ソコニーハウスは、コンクリート打ち放しの躯体に大型の木製サッシュがはめ込まれたモダニズム溢れる建物で、特にこの住宅の「芯外し(カーテンウォール)」という新しい手法を駆使したプランは、建築史的にも重要なモダニズム建築です。また、昭和28年(1953)横浜市第1回建築コンクールで当時の平沼亮三横浜市長より表彰され、その記念プレートが現在も当地に残っています。また、敷地環境については、50年以上を経た今、当時敷地に植えられた木々は大きく成長し、春の桜、夏の蝉時雨、秋の色鮮やかな紅葉は近隣の住民や八聖殿を訪れる人々にとってかけがえのない自然環境ともなっています。
 さて、昨年6月、建築的・文化的に大変貴重な建築と豊かな自然があるこの土地に、墓地建設を計画する動きがあると聞き及びました。地元自治会でも既にこの貴重な建築や環境を保全すべく運動を開始し、横浜市長宛に要望書を提出したと聞いておりますが、貴社におかれましても、この価値ある建築と敷地環境を安易に破壊されることの無いよう、格段のご配慮をお願いするものです。

 なお、社団法人日本建築家協会関東甲信越支部、同 保存問題委員会、及びJIA神奈川はソコニ−ハウス及びその敷地の保全活用に関して、建物の調査等、できる限りの協力をさせて頂くことを申し添えます。

 敬具


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