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■ 日土小学校建物の再生に関する要望書を八幡浜市長宛に提出しました。
       

平成17年 月 日

八幡浜市長 高橋英吾 様
(八幡浜市議会議長 山本儀夫 様)
(八幡浜市教育長 井上傅一郎 様)
(八幡浜市教育委員会委員長 平田悦三 様)

(社)日本建築家協会 会長 小倉善明
四国支部 支部長 賀村智

日土小学校の保存再生要望書

 拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 貴市の日土小学校は、近・現代を代表する建築として、国内はもとより国際的にも誇ることができる貴重な存在です。その内容については今日多く語られ、ご承知のことと思いますので省略させていただきます。
 2000年に行った当協会の全国大会「内子」においては、プログラムの中に日土小学校が登場し、建築家たちの関心を集めました。大会行事の中の見学会にも取り上げられ、会員は建物の実際に触れて全国へ感動を持ち帰りました。以降同校と建築家・松村正恒(1913-93)への関心がふたたび高まっています。それは、学校建築の新しい理論を取り入れて優れたデザインのもとに実現し、多くの注目を集めた建設当時の状況が、今日においても実際に見られることです。松村理論は学校建築を考えるときの原点を包含していることから、同校が現役の小学校であることを踏まえ、歴史的、文化的遺産であるとともに現在に息吹く建築文化資産と考えます。
 建築家・松村正恒は八幡浜市役所勤務時代(1948-60)より日本におけるモダニズム建築のリーダーとして活躍され、1990年には当協会第一号の終身正会員に選ばれました。彼の作品は日土小学校を代表に、八幡浜はもとより日本の建築文化の誇りであり、今なお世界へと通じています。このことは、当協会の友好団体である非政府組織(NGO)ドコモモ・ジャパンが、2000年に行った「DOCOMOMO Japan 20選」(2003年、100選に拡大)に、同校を選定したことにも表れています。加盟各国からの20選を収録し出版した『The Modern Movement in Architecture』に紹介され、国際的に認知される存在となっています。

 今日における状況として、建設後の経年による老朽化は避けられず、各所に支障をきたしているものと思われます。先般の台風では屋根瓦、その他に被害があり、日常の使用に障害が生じたことも承知しています。また、社会環境の変化による児童数の減少などにも、対応を迫られていることが想像されます。
それらを乗り越えて、日土小学校の今後の存続を願うものです。
 貴市が同建物の改修計画の協議をしておられることを仄聞しておりますが、八幡浜市が建築文化資産として世界に誇れる建築である日土小学校が、それにふさわしい活用法により、かけがえのない建築資産として後世に継承されますよう、特段のご配慮を賜りますよう切望するものです。
 そのために本会は建築の専門家集団として、日土小学校の建物の再生、存続に関わる助言、提案を積極的にさせていただく所存であります。何卒よろしくご賢察のほど御願い申し上げます。

敬具

日土小学校の保存再生要望書 提出について  
                 平成17年6月24日 八幡浜市長室にて

     出席者:高橋英吾 八幡浜市長 
          清水義明 八幡浜市教育委員会学校教育課課長 
          賀村  智 日本建築家協会四国支部長 
          武智和臣 日本建築家協会愛媛地位会会長
          吉本秀生 日刊八幡浜民報社

支部長より 先ほどの四国、愛媛レベルの学会、士会,事務所協会,建築家協会による要望書に引き続き日本建築家協会会長名で、保存再生要望書を改めてお受け取りいただきたい。

市長:市側としては、白紙の状態である。全国的には、市民が保存要望になるケースが多いが,日土はPTAの大半が改築を望んでいる。日土小学校校舎建て替えに関する検討委員会の立ち上げについて議会承認がとおり、7月31日までに委員のメンバーを決定し,17年度中に結論を出したい。

清水氏:委員会のメンバーについては、地元、教育関係者,コンサルタント、有識者、愛媛大学教授 曲田氏等 第三者も入れた形で構成したい。反対派は全面改築を望んでおり,先ほど改築された江戸岡小学校(入札によって市内の建築事務所が受注、松村イズムを引き継いだ設計としている)を見て、日土小学校も同じように学校の居住性,安全性を確保すべく全面改築によって解決したいとしている。
支部長;全国でも第三者機関を入れた検討委員会はめずらしいので、同じ問題を抱える地域にも発信できるように、記録と公表をぜひ望みたい。

市長:合併を機に、観光と言う観点からも保内の資源と八幡浜の資源とを線で結ぶような構想がある。商業施設だけではなく伝統的資源についても考慮して行きたい。

支部長:学会、建築家協会で調整作製した保存再生案の提案は受け付けてもらえるのか。

市長:委員会に提案していただくのは問題ない。具体案が出てくるのは望ましい。大いに提案をしてほしい。

地域会長:提案は、日土地区として将来的むらづくりのビジョンも考えあわせたなかでの教育環境として、日土小学校を位置づけ検討して行きたい。



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