滋賀地域会

  • 投稿:2021年10月12日
  • by 滋賀地域会 
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レポート/「彦根市民会館と 高橋貞太郎と」

彦根市民会館見学会+フォーラム「彦根市民会館と 高橋貞太郎と」を、2021年8月8日(日)に彦根市民会館にて開催しました。

         
参加者は、受付後、エントランスホールを使った展示スペースにて資料を閲覧、
主催のJIA近畿支部滋賀地域会より開会の挨拶、ならびに彦根市文化振興課より彦根市民会館の概略について説明をしました。
その後、地下の機械室から屋上に至るまで、市民会館のスタッフであった小寺定樹氏ならびに講師の砂本文彦先生より、当時の使用状況や建築についての説明を受けながら館内の見学を行いました。普段は入ることができなかったバックヤードも含めての見学会となり、参加者は興味深い空間体験をすることができたのではないでしょうか。

 

見学会の後は、ステージ周辺を残して改修されている大ホールに移動し、砂本文彦先生より高橋貞太郎についての講義を拝聴、有名な建築を手がけてきた高橋貞太郎の建築家としての実績や彼のまわりで起きたできごと、建築家としての生きざまを垣間見ることができました。また、ホテルなどを手がけてきた彼の建築手法が彦根市民会館でも生かされていることなどがわかりました。


講演後の座談会では、スタッフとして数多くの催しの企画運営に携わってきた小寺定樹氏から、当時の建物を市民会館として運営した側からの感想やできごとなどについてお話を聞き、また、林達也課長からは、彦根市民会館の建物が地域で果たしてきた役割などを振り返っていただきました。
参加者のみなさんからも活発な意見や感想をお聞きすることができ、高橋貞太郎のルーツや彦根市民会館の設計を委託された経緯についても思いを巡らせることができる興味深い話題を皆で聞くことができました。

高橋貞太郎という人物は、日本の近代建築を語る上で重要な建築家ですが、出身地である彦根(もしくは滋賀県)においてそれほど知られているわけでもなく、今回、滋賀県彦根市が輩出した素晴らしい建築家としてその実績を参加者が学ぶ機会を持ち、高橋貞太郎という一人の建築家を通して地域への興味を持っていただけたのではないかと思いました。
参加者の方からのお話にもありましたが、このフォーラムがきっかけとなり、さらに高橋貞太郎氏についての学び、また、地域において建築が果たす役割についての理解が深まっていくことに期待したいと考えます。

今回、共催の協力をいただいた彦根市、建築士会彦根地域会、建築士会湖北地域会、滋賀県建築設計家協会の皆さん、また、ともにフォーラムをつくっていただいた参加者の皆さんに感謝を申し上げます。

当日参加者はスタッフを含み40名(一般、建築士会会員、滋賀県建築設計家協会会員、彦根市職員、JIA会員)でした。


<講師略歴>
砂本文彦(神戸女子大学 家政学部教授)
1972年 広島生まれ。
高橋貞太郎が設計したホテル建築を扱った「近代日本の国際リゾート 1930年代の国際観光ホテルを中心に」(青弓社 2001)にて建築史学会賞を受賞。2017年に鹿島出版会より出版された「日本近代建築家列伝 生き続ける建築」にて高橋貞太郎の項を担当。

<パネリスト>
◎小寺定樹(みずほ文化センター所長)
彦根市民会館のスタッフとして、様々なイベントを企画・運営

◎林達也(彦根市文化振興課 課長)
彦根市民会館館長

<コーディネーター>
◎平居 晋(公益社団法人 日本建築家協会 近畿支部 滋賀地域会 地域会長)

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