京都地域会

  • 投稿:2012年9月3日
  • by 後藤直子 
  • 京都地域会

建築家のためのトラブル予防実務セミナー「設計監理トラブル判例の解説」

                                 
イベント名称 「「設計監理トラブル判例の解説」建築家のためのトラブル予防実務セミナー」
開催日時2012年9月13日(木) 18:30〜21:00
募集期間(締切日)※応募を締め切りました
講師木内 哲郎氏 (弁護士)、壽 彩子氏 (弁護士)
内容

弁護士の木内 哲郎氏 、壽(としなが) 彩子氏をお迎えし、「設計監理トラブル判例の解説」建築家のためのトラブル予防セミナー と題し最近の建築設計・監理に関する裁判例について、建築家の立場でその注意点や予防策など、詳しく解説をしていたたく実務セミナー。

参加対象JIA京都地域会会員
定員30人(先着順)
参加費 無料
申し込み方法

京都地域会メーリングリストに記載の連絡先の e-mailまたはFAXにて。

会場 キャンパスプラザ京都2階 第3会議室
住所 京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939
主催・共催等主催:社団法人 日本建築家協会 近畿支部 京都地域会
 (担当:奥田敦、加藤泰彦、湯川君雄)
お問い合わせ先 京都地域会メーリングリストに記載の連絡先 

【レポート】

下記内容についての解説および質疑、回答、意見交換がありました。

①設計監理契約の法的性質論(請負契約なのか、準委任契約なのか)、②設計図書に記載のない工事内容でも隣接建物の損傷につき,監理者にも過失ありとされた事例、③ずさんなプロジェクトの進め方に建築士に慰謝料支払命令の出された事例、④設計監理者の法的責任存続期間について。

①については、設計監理契約を行為とみるか結果と見るかで判断が異なり、出席した建築家の大半は準委任契約であると考えているのに対して、請負契約だと見なすのが社会や裁判所の大勢であるというのが木内氏の見解でした。従って契約の性質論にこだわるのではなく、建築主の要望、予算等打ち合わせ経緯を書面にして記録化することが大切であり、行為に対する対価を求め得るような契約書を作成すべきである、そして予期に反したことが起きた場合の対処を考えておくことが重要だということでした。出席者から建築主とのメールの記録を残しておくことも裁判では重要であるという意見もありました。また、契約書に「この契約は準委任契約である」と、文言のみで明記してもその内容をクライアントが理解できなければ有効ではないということでした。消費者の立場では、工事金額や引渡し期限など数字で表現可能なものや、設計図という成果物を提出することなど、設計監理業務の内容によっては請負契約と考えるのは仕方のないことだという意見もありました。今後、設計監理契約が準委任契約であるということを世間一般に認識してもらえるよう、私たち建築家が社会や建築主に働きかけていくことが求められます。

②は、本来施工者責任として考えられている掘削、山留め工事についても設計監理者の責任を問われた事例です。解体や仮設工事もその施工方法を監理者が承認すれば責任が発生します。建築家の社会的責任が大きくなっており、契約関係にない第三者から訴えられる可能性があるということも認識していなければならないとのことでした。工事の賠償責任を問われたゼネコンが倒産した場合にも、施工に関与した建築士が訴えられることもあるようです。上記のような事例に対する予防策として、特記仕様書に施工者の責任施工工事範囲を明記するのはどうかという意見もありました。

③は、無責任な設計監理者に対して、設計費はもちろん、解体費用、施工費用、慰謝料等の支払い命令の出された事例の紹介です。

④は、設計監理者の法的責任存続期間についての解説です。設計契約が請負契約であれば設計図書引き渡し後1年、準委任契約であれば業務終了後10年、監理責任については施工業者の瑕疵担保責任期間(過失が無くても負わなければならない責任期間)と同じ2年という判例があります。しかし契約責任だけではなく、不法行為責任があるので、この場合は損害を知ってから3年、行為時から20年の責任期間となるので、注意が必要とのことでした。

(奥田 敦)

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