倫 理 規 定

昭和63年5月26日
総会において承認
改訂 平成16年5月26日

<改定にあたって>
日本建築家協会(JIA)は、設立以来、我が国の多くの優れた先達建築家が掲げた理念やその実践に注がれた情熱を受け継ぎながら、今日の急激に変化しつつある社会状況に即した新しい建築家像の構築に取り組んできました。
その間、長年の課題であった職能法の制定から建築士法改正への運動転換を経て、いよいよ新たな建築家資格制度としての「登録建築家」認定が試行開始されました。今後は、私たち建築家自らがあらゆる機会を通じて直接社会に働きかけその趣旨の理解と信頼を得るとともに、この制度を持続的に育んでいくことが大切です。
そのためには、JIA会員が建築家として持つべき倫理のあり方を、わかりやすく明快に開示することが必要です。また、業務や建築家資格の国際化の動向に鑑み、国際建築家連合(UIA)の基準に沿った内容でなければなりません。今回の倫理規定改訂は、以上のような背景によるものです。
本倫理規定は、JIA会員が建築家として自らを律する上での基本的な精神・指針・目標を示すものです。JIAの会員は、挙げて本倫理規定を共有し、自主的かつ自治的に遵守することによって社会や依頼者に対してその履行を約することになります。従って、その違反は会による懲戒理由となるものです。



<一般的義務>
会員は、教育、訓練、及び経験を通して建築の芸術性、環境及び技術の体系的な専門的知識と理論を持たねばならない。そして会員が業務を委託されたとき、適切に遂行できる建築家としての業務水準を満たしていなければならない。更に会員はそれらを向上させ、持続可能な社会の発展に寄与するとともに、倫理に基づいた妥協のない専門的判断を行わねばならない。


I 社会公共に対して
1. 会員は、業務の遂行にあたって、本規定を尊重するとともに、法律を遵守する。
2. 会員は、地球や地域の環境問題と建築の関わりを認識し、業務に取り組む。
3. 会員は、建築家の役割と責任について、社会公共の正しい理解と評価を得るために努力する。
4. 会員は、虚偽、誤解を招くような行為等により自分自身や業務についての情報提供や宣伝をしない。
5. 会員は、品性、知識、能力、倫理観を備えるとともに、常に自己の研鑚に努める。


II 依頼者と利用者に対して
1. 会員は、依頼者の要請に応えるとともに、社会及び利用者の公益性に配慮して、公正な立場で業務を遂行する。
2. 会員は、依頼者の要請に応え、誠実に業務を遂行することによって依頼者の正当な利益を守る。
3. 会員は、建築家として自己の独立の立場を保って業務を遂行する。
4. 会員は、業務上知り得た依頼者の秘密を漏らさない。
5. 会員は、建築家の責任と権利について、依頼者の正しい理解と評価を得るために努力する。
6. 会員は、自らの業務において利害が対立すると考えられる場合には、その事実を関係者に告知する。


III 業務上関連する専門家等に対して
1. 会員は、他の建築家と協同して業務を行うとき、或いは他の専門技術者ならびに他分野の専門家の協力を求めるときは、お互いの業務の分担と責任を明確に合意した上で、相互に信頼をもって業務を遂行する。
2. 会員は、業務の遂行にあたって、工事施工者等の専門家の意見を尊重し、その正当な立場を侵さない。
3. 会員は、工事施工者等と関連する業務については、お互いの役割と責任について明確な合意の上で、相互に信頼をもって業務を遂行する。

IV 他の建築家及び自己の業務組織に対して
1. 会員は、他の建築家の名誉を傷つけ、あるいは著作権を侵す行為は行わない。
2. 会員は、業務組織の中で、主宰者・協同者及び所員が互いの信頼を保つよう努力すると共に夫々の建築家としての立場を堅持する。
3. 会員は、誠実と公正をもって業務を遂行するために、本規定を業務組織の全員が遵守するよう周知徹底する。
   

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