JIA会長ご挨拶

六鹿正治

JIAへようこそ

公益社団法人日本建築家協会第12代会長 六鹿正治

日本建築家協会は(The Japan institute of Architects=JIA)は1987年に設立されましたが、協会の原点である造家学会は1886年につくられました。
私たち日本建築家協会は国民の社会的信頼を得られる団体として、社会貢献を目指す団体として行動いたします。
私は第12代会長として次のように「建築家」を考え、「建築家協会」を考えています。 多くの市民の皆様にご理解いただき、また一緒に活動してくださいますようお願いいたします。

建築家とは何か

建築の設計・監理は数多くの専門家の協働で行われますが、建築の理念を考え、形を創造し、全体を統括するのが建築家の役割です。建築は安全で機能的で美しくなければなりません。そこに住み、あるいは利用する人々にとって快適なものでなければなりません。そして時にそれは経済的な利益を生むものでなければなりません。周辺環境、地域環境、地球環境に配慮しなければなりません。そのような多様な要求条件をまとめ建築という空間環境を形成することによって社会に貢献する人が建築家と考えます。

建築家は敷地にとどまらない

建築家は発注者の依頼を誠実に実現するように努力しますが、与えられた敷地という枠を超えて周辺環境、街並み、地域文化、歴史、風土、地球環境との関係をデザインしなければなりません。1つの建築が街を、地域を創っていくからです。

建築家は市民とともに行動する

建築家は直接的なクライアント以外に社会というクライアントをもっています。また公共建築においては市民とともに建築、都市環境をつくります。建築家は市民の同伴者なのです。建築家はある時には人間だけでなく、その土地に生きる多くの生物にも配慮して設計しなければなりません。

建築家は環境資産価値をあげる

建築家に設計を依頼することは、建築家にある意味で財産を委託することです。建築家はそれに応え、美しく、安全で、快適な建築環境を創りますが、それは発注者の資産価値を向上させます。建築家はある意味でアセット・マネージャー(資産管理者)なのです。

建築家は独立性、中立性を保持する

予算内に収めたい、より質の高い建築を低価格で実現したいという発注者と、より多くの利益を確保したい施工者は往々にして対立します。建築家は独立した中立的な存在として双方の利害を調整し、適正な価格で良質な建築をつくりあげます。建築や開発にかかわる様々な不適切な社会的事件防ぐため、独立した建築家としての存在が今日極めて重要なのです。

建築家は、アイディア、デザイン、技術で選ばれる

公共施設の設計者は多くが設計入札で選定されています。設計料の多寡で決めるこの方式は世界中で日本ぐらいしか採用されていません。建築家を談合という犯罪か、ダンピングと言う自己否定に陥れる、創造性を喚起しない日本的システムです。これを止めてもらわなければいけません。国の施設の設計者は原則としてプロポーザル方式(※1)で選定されます。JIAはQBS(資質評価方式)(※2)を推薦しています。公共建築の設計者選定には多様な方法がありますが、建築家は設計料の多寡ではなく、アイディア、デザイン、技術で選ばれなくてはなりません。

建築家は未来に奉仕する

次の時代をつくっていくのは子供達です。子供達が元気に育つ建築、都市環境を建築家が作らねば、将来の日本はないのです。子供達は空間により刺激され、環境により行動していきます。教育や生活というソフトな環境はもちろんですが、自然環境を含めたハードな環境が子供達の行動や思考も変えていくのです。建築家は元気な子供達を育てる環境に対する責任があります。お年寄りは子供と似ています。障害を持つ人びとは勿論、多くの様々な人々が元気に活動できる環境をつくることに建築家は奉仕します。

建築家は新しい文化価値を創造する

建築家は、行政、デベロッパー、経済界、一般消費者など様々な分野の方々と共同し、新しい文化的価値を創造し、少子高齢化社会・地球環境の時代・高度情報化等変化に対応しなければなりません。その認識のもと建築家は常に創造者の視点で新しい文化を作るように努力いたします。

建築家の業務環境の改善

日本の建築設計の対価は諸外国と比較すると低過ぎます。工事費に対する料率も低くなっています。良い建築環境を作るには設計時間と費用がかけられねばなりません。日本はソフトにお金をかけない国と言われていますが、美しく安全で快適な建築都市環境を作るという質的な向上を目指すためには、日本の設計業務環境を改善しなくてはなりません。その原因の一つが公共施設の設計入札で、第二は民間の建設会社によるサービス設計です。これらを止めさせ、設計と言う価値を国民に理解してもらうことによって、美しい魅力的な都市環境がつくられると思われます。

建築家の倫理規定・行動規範(ガイドライン)

JIA会員は他の分野の専門家たちと協働しつつ、建築家として現代社会における建築文化の創造の使命を担います。依頼者への誠実な対応と高い技術の提供にとどまらず、社会の公益にも資する新しい空間価値を創出する使命を持っています。複雑に利害が交錯する建築生産の場において、職能人としての確かな倫理観に基づいて行動します。倫理規定は指針と目標を示し、行動規範は行動の基準を示し、その違反は会による懲戒の対象となります。
(詳しくはJIA倫理規定行動規範1988年制定、2004年改訂を参照してください。)

公益社団法人日本建築家協会 The Japan Institute of Architects (JIA)
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